11: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 14:57:19.01 ID:apyY2YgH0
そして、ようやく待ちに待った日曜日がきた。
女性と私的な用事で肩を並べ歩くことなど、ぼくは殆ど経験がない。
ぼくは早朝に起床し、インターネットで情報を集めた。
ささいな仕草、やっていいこと悪いこと。
ぼくは、それらを全て頭に叩き込んだ。
洗面所で整髪料を使い髪を整え、コンタクトレンズをはめた。
美容師にやってもらったようにはならなかったが、形にはなっている。
ぼくとしてはもう少し上手くやりたかったが、これでも及第点と言えるだろう。
新品の衣類に身を通し、商品のタグがないか確認していく。
せっかくのデートなのだ。完璧にエスコートをしたい。
ああ、よく見れば、もう時間ではないか。
そろそろ向かうとしようか。
実際には30分ほど早く着いてしまったが、これでいい。
女性を待たせるようなことがあってはならない。
待ち合わせの駅前に行くと、そこには既にちひろさんがいた。
ぼくは遠くから、その姿を歩きながら眺めた。ああ、私服のセンスもいい。
落ち着いたデザインの衣類でまとめ、けれど女性的な服だった。
事務所に置いてあるファッション雑誌で言えば、モアだろうか。
彼女は、ぼくがかなり近づくまで、ぼくに気付かなかったようだった。
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