13: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/26(金) 14:58:15.06 ID:apyY2YgH0
『本当におもしろかったです。あのシーンには、涙が出そうでした』
謝るのは、ぼくの方だろう。
映画の内容など覚えていないのだから。
隣にいる彼女にあまりに気をとられすぎていた。
けれど、最大の盛り上がりシーンは記憶に留めている。
ぼくはそれを、客観的に端的に、前向きに感想を述べた。
『はい。見に行くことができて、よかった。ありがとうございます』
彼女はそう言って、また笑ってくれた。
この笑顔は、何物にも代えがたいと思った。
時刻を確認すると、既に19時を過ぎ、20時近くになっていた。
ええと、ここから、彼女を酒の席に誘うのだ。
以前と同じように、普通に。
『あ、そうだ。よければ、この後どうですか』
ああ、またちひろさんに気を使わせてしまっただろうか。
それを確かめる間もなく、ぼくは活発にその提案を肯定した。
「はい。少しだけ何か食べていきましょうか」
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