過去ログ - モバP「夏の上に夏を重ねて」
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44: ◆auvPFY1.jw[saga sage]
2013/04/27(土) 11:34:58.33 ID:jHXJVv+b0

喉はからからに乾いていた。

予定時刻に、予約していたレストランへと足を踏み入れた。
窓際の一角。夜景も鮮やかに光を放ち始めている。
ドレスコードもあるような店だった。

『プロデューサーさん、私の選んだ服、着てくださってる』

「ええ。選んで頂きましたし、気に入っていますから」

『そう言っていただけると、嬉しいです』

注文をしなくとも、期を見計らって食事が運ばれる。
このような店ははじめてではなかった。
芸能界の付き合いに感謝だ。

マナーも作法もひと通り覚えていたし、苦しむこともなかった。

ただ、美味しいですね。そのような会話が窓辺に響く。
踏み込んだ会話など、そこには必要なかった。
このしっとりとした雰囲気が好きだ。

あまり口にすることのない赤ワインを転がし、味を確かめる。

からからに乾いていた喉には、程よいものだった。
酒の効果以上に、ぼくの顔は赤かった。
コースを終え、ぼくは言った。

「お話が、あるんです」




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