過去ログ - ジャブローで撃ち落とされた女ジオン兵が…
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キャタピラさん
◆EhtsT9zeko
2013/04/28(日) 12:24:32.13 ID:mfe01pas0
「そこに青いバッグがあるだろう?着替えが入ってる。とりえず、着替えちゃって。
この先に検問があるんだ。そこばっかりは騒ぎを起こさずに通過するっきゃない」
「大丈夫なの?」
「あんたの顔はまだ割れてない。脱走がバレれば話は別だが、しばらくは大丈夫だろう」
私は言われたとおりにバッグの中に入っていたラフな服装に着替え、
それから彼女の指示で助手席に移動して、「ぐったりした様子」で座り込んだ。
目の前に検問が見えてくる。兵士が私たちの車を止める。
「こんばんは、少尉殿。こんな時間に、どちらへ?」
「すまない、連れが階段から落ちてけがをしたんだ。軍医殿が、今は負傷兵の手当てに回ってて戻らないそうなんで、街の総合病院へ行きたいんだ」
「なんですって?」
兵士が私の顔を懐中電灯で照らした。そして息をのみ
「こ、これは…す、すぐに通します。あ、いや、軍用車で先導しましょうか?」
とあわてた様子でアヤに言う。
「いや、それには及ばない。連なって走るより、一台の方がずっと早い」
「そうですか…おい!すぐに開けろ!」
兵士がそう言うと、道路をふさいでいた金網が開いた。アヤは敬礼をしながら車を走らせその門を通過する。
サイドミラーで検問が見えなくなると、アヤがふぅーと、大きなため息をついた。それから途端に
「あー緊張したぁ!」
とはしゃいだ子どものように体をムズムズと動かす。
「どうして、どうしてこんなことを?」
私は聞かずにはいられなかった。こんなことをすれば、軍規違反だ。
捕まれば裁判にかけられ禁固刑か、悪くすれば銃殺ものだ。
アヤは、どうしてここまで、私を助けてくれようとするのだろう…。
「あんたは、悪い奴じゃない」
アヤはまるで決まったことのように言った。
「なんで、そんなことがわかるの?」
「最初にあったとき、あんたは、飯を食わせてほしいって言った私を撃たなかった。
あの魚を食べ終わるまでは、待つつもりだった。だから、だ」
「そ、そんなのって…」
「だってアタシもあの時、銃を持ってたんだよ?普通なら、あんたは撃ってる。
間違いなく。だって、そうでもしなきゃ、自分が撃たれるって思う」
確かに、あのとき私は、アヤから拳銃を奪わなかった。
いや、あの状況で、下手に奪おうとすれば抵抗される可能性があったから、と言うのもあったのだけれど、
彼女に私へ危害を加えようという意思がなかったのは感じられていた。
「それは、あなたが、なにもしなさそうだったから」
「じゃぁ、それはさ、アタシのことを信用してくれたってことだろう?」
アヤはこちらをチラっと見やっていった。
確かに…アヤが、隙を見て私を撃つ、なんてことをしないというのは、私がただ感じただけで、何の根拠も理論的な裏付けもない。
信用、と言う言葉が当てはまるのかわからないけど、確かに、私は、彼女の言葉を信じたのだ。
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