過去ログ - モバP「なぁ、凛」凛「・・・何?」
1- 20
30:kk ◆0TLs6hoSEg
2013/05/01(水) 18:06:46.83 ID:dJ0o64jn0


―――――――


"私"は、小さいころから体が弱かった。


生まれたときに未熟児だったのが原因だとは聞かされてるけど、大したことのない病気をいろいろやって、入退院を繰り返す日々。
病院のベッドで寝てることのほうが多かった、小学校時代。

今考えると、あまりに会話のない生活だったと思う。
両親は仕事で忙しく見舞いにはめったに来なかったし、学校の友達はたまにお見舞いにきてくれたけど、"私"が入院を繰り返すのをみて、みんな次第に足が遠ざかっていった。
まぁ、両親は来たくても来れないわけだから、別にうらんでたりは全然してないのだけれども。


中学に入ってしばらくして。両親が「暇つぶしになれば」と、小さなテレビをもってきてくれた。
白一色で娯楽は読書くらいしかなかったから、"私"はとても喜び、ワクワクしながらテレビをつけた。


そこに映っていたのは、光るような笑顔で歌いながら踊る、アイドルたちだった。


衝撃的だった。自分より年上な高校生くらいのお姉さんたちが、キラキラと汗を輝かせながら人々を楽しませている、その光景は。

『大空を飛ぶ鳥のように 翼を広げて羽ばたきたい』

『可能性信じて進まなきゃ そう、何も始まらない』

彼女たちの歌声が心に響いてきて、気づけば"私"は泣いていた。
そんなときにちょうどお母さんが戻ってきたから、お母さんはとても慌ててたけど、そんな慌て方をみて"私"は泣きながら笑ってしまった。
そしてひとしきり涙を流した後、こう言った。

『お母さん、私、アイドルになりたい』


体調が急に悪化したのは、その1週間後だった。


―――――――




<<前のレス[*]次のレス[#]>>
196Res/192.93 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice