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2013/05/02(木) 11:52:39.57 ID:kADqiJRHo
菫「照……」
ハギヨシ「急ぎましょう」
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2013/05/02(木) 11:53:10.58 ID:kADqiJRHo
ギュ
宥「あぅ」
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2013/05/02(木) 11:54:09.63 ID:kADqiJRHo
穴は深く、地下牢まで続いていた。
先に落ちていった咲とさほど時間を置いて降りたわけでもないのに、照が着地したときには六感で捉えられる物影はどこにもいなかった。
微かな日光で、周囲の視界はそれほど悪くはないが、一旦奥まで進んでしまうと追うことは難しい。
六感に映らない生物は基本ありえない。それを可能とする方法の一つに、先ほどのハギヨシが行った攻性迷彩でこちらの感覚を誤魔化すという幻術魔法がある。
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2013/05/02(木) 11:56:28.11 ID:kADqiJRHo
照「それでは面白くないだろう」
咲「……私がですか?」
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2013/05/02(木) 11:57:48.56 ID:kADqiJRHo
照「そうだな。軍のトップの人間であろうと気持ちの揺らぎは存在するようだ」
咲「……」
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2013/05/02(木) 11:59:05.43 ID:kADqiJRHo
◇◆◇◆◇◆
隠し穴を抜け、一階の調理場裏へ出る。
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2013/05/02(木) 12:01:26.64 ID:kADqiJRHo
菫「卑怯だよ……。そんな目で、言われたら……」
宥「……」
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2013/05/02(木) 12:02:39.44 ID:kADqiJRHo
◇◆◇◆◇◆
妹の体を前にしてここまで残酷になれたのは二日前の小蒔が行った幻術魔法のおかげだろう。
覚悟は人を変える。死別した妹の幻想を目にして、嗚咽を上げ女々しく涙を流す照とは違った。
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2013/05/02(木) 12:03:58.41 ID:kADqiJRHo
炭化した右頬を懸命に動かし、咲が詠唱する。
照は防衛本能に従い、まばたきよりも早く咲から距離を置いた。どこから攻撃されてもおかしくない。『来い』だけではどの系統の魔法かもわからず、カウンター型の超攻魔法の線もありうる。
六感を張り巡らせてる間、他の五感を咲へ向け続ける。そして、地下牢全体が軋み上がり、咲がうずくまるすぐ後ろの壁から根が突き出た。
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2013/05/02(木) 12:05:16.18 ID:kADqiJRHo
龍門渕邸目下、垂直にそびえる河蝕崖の腹が破裂した。
ミミズのようにうごめく木の根と、それに足と首を掴まれた照が勢いよく飛び出す。
赤魔法と宝剣の庇護に耐えられなくなった木の根は、崖下へ照を投げ飛ばそうとした。
振りかぶるように木の根が大きく曲がった瞬間、照は、周りとは違う不自然に太くなった木の根を見つけた。
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2013/05/02(木) 12:05:54.07 ID:kADqiJRHo
◇◆◇◆◇◆
ガサガサ
菫「宥は飛べないのか?」
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