過去ログ - さやか「あたしが僕で僕があたしで」
1- 20
37:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/11(土) 23:34:00.92 ID:flz/a+mq0
病院からとはいえ、さやかの家に通じる道は大体分かっていた。

僕の家のある方向とほとんど変わらないし、昔何度も言ったことがあるからだ。

右腕に鞄を持ち、一歩一歩アスファルトを踏みしめ、左手に目を落としながら歩を進める。

僕は今、歩いてるし、鞄も持てる。

腕は治らないと言われて、歩くこともままならなかったこの僕がだ。

さやかの足と腕だけど、ちゃんと自分の意思で自由に動かせている。

不思議だな。

今まで当然のように出来てたことができなくなって、絶望のどん底に突き落とされたと思ったら、また出来るようになった。

なんでこうなったのか全然わからないけど、僕はこれをどう受け止めればいいんだろう。

今は少しだけ嬉しいけど、やっぱり単純には喜べないよな。

あくまでこれはさやかの体。

仮の体。

いずれ僕の意識はちゃんと僕の体に戻っていくんだろう。

そうなったら、結局僕はまたあの状態に……一生動かない腕の体に戻るんだ。

仕方がない、と諦めるしかないのだろうか。

元々あれが僕の運命だったんだ、と。

だけど……

さやか「そう簡単に納得できれば苦労はしない」

僕は嫌な人間だ。


<<前のレス[*]次のレス[#]>>
234Res/164.21 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。




VIPサービス増築中!
携帯うpろだ|隙間うpろだ
Powered By VIPservice