過去ログ - モバP「幸子の見舞いに行くとするか」
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1:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/16(木) 01:28:27.99 ID:4Tq6pmkmo

※地の文、P視点の構成となってます

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2:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/16(木) 01:30:03.91 ID:4Tq6pmkmo
 小柄な体躯。尊大な態度。そして、絶対的な自信家。 
 彼女を形容するにふさわしい言葉としては、どれも正しい。
 しかし彼女にしてみればそれらは正答ではない。彼女はいつだって自分をこう表現する。

「ボクってカワイイですよね!」
以下略



3:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/16(木) 01:32:50.69 ID:4Tq6pmkmo
 まあ、まだ14歳でいろいろと難しそうな時期だから仕方がないのかもしれない。
 せめてもう少し素直になってはもらえないものか。
 そうすれば俺だって、手放しにカワイイと褒めてやりたくもなるのに。

 と、なかなか事務所に来ない幸子のことをひとしきり考え終えたところへ、
以下略



4:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/16(木) 01:34:56.27 ID:IKxW9Xw8O
読みやすい文章、期待


5:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/16(木) 01:37:56.47 ID:4Tq6pmkmo
「幸子、大丈夫か。風邪なのか?」
「そうみたい……です。なので、今日はお休みを頂けますか……」

 断片的に咳が混じるも、言わんとすることは大いに伝わってくる。
 幸子のことだ。軽い風邪なら多少の無理は押し通しただろう。
以下略



6:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/16(木) 01:45:04.31 ID:4Tq6pmkmo

 女子寮。

 男の身で立ち入るには清廉すぎる響きだ。
 幸子は今、ここに住んでいる。見舞いに行くには女子寮の敷地内へ入らなくてはいけない。
以下略



7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/16(木) 01:46:19.53 ID:gYcb4ZL2o
事務所って寮制だったのか


8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/16(木) 01:47:51.48 ID:4Tq6pmkmo
「……」

 ふと、ノックしようと振りかぶった手が止まる。
 起きてたらどうしよう。本当に俺の知っている幸子はここにいるのか?
 返事がなかったら……その時は見舞い品を誰かに預けて、早く帰ろう。
以下略



9:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/16(木) 01:49:14.34 ID:4Tq6pmkmo
>>7
ゲーム内の女子寮というシステムを拝借した、架空の設定ってことでひとつ


10:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/16(木) 01:52:38.24 ID:4Tq6pmkmo
「あ、だ、ダメです、開けないでください! ああでも、来てほしくないわけじゃなくて――」

 まくし立てるようにそれだけ言い放つ。それから幸子は盛大にむせ返った。
 ちらりと見えた幸子の顔は真っ赤に染まっており、額の冷却シートがはがれかけている。

以下略



11:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/16(木) 02:04:21.57 ID:4Tq6pmkmo

 寮の部屋の構造はシンプルなものになっている。
 風呂やトイレ、食事なら食堂がありそれらを共同で使用するため、その分を削った間取りだ。

 なので、おのずと目に入るものは少ない。
以下略



12:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/16(木) 02:07:07.58 ID:4Tq6pmkmo
「何をじろじろ見てるんですか、まったく……」

 唇をとがらせてこちらを半眼で見つめる幸子。今は冷却シートが貼られていない。
 安静にと寝かせておいているのだが、もぞもぞと口元まで掛け布団を引っ張って顔を隠そうとしていた。 

以下略



13:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/16(木) 02:09:54.61 ID:4Tq6pmkmo
「それで、プロデューサーさんは何しに来たんですか?」
 本来の目的を忘れそわそわしていた俺を咎めるように幸子が言う。

「わざわざボクの部屋を観察しにきたわけではないですよね?」
「そりゃあそうだ。えっと、まずはこれ。ここ置いとくぞ」
以下略



14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/16(木) 02:12:01.21 ID:4Tq6pmkmo
「栄養ドリンクと、ゼリー飲料。それとヨーグルトかな」
「そうですか。……ヨーグルト、ですか」

 どうしてヨーグルトだけ反応するんだよ、と問い返す前に、

以下略



15:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/16(木) 02:14:27.02 ID:4Tq6pmkmo
「まあ、いいけど。今日は他に何を食べたんだ?」
「寮母さんがわざわざボクに作ってくださったおかゆ、くらいです。お昼頃に」

 現時刻19:45。これでも早めに仕事を片付けられたほうだ。

以下略



16:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/16(木) 02:14:43.39 ID:qz0skLPCO
スレタイからスカイダイビング中に事故って入院するはめにでもなったのかと思った


17:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/16(木) 02:17:35.34 ID:4Tq6pmkmo
「――はい、ではお願いします。……幸子、すぐ持ってきてくださるらしいぞ」
「わかりました。プロデューサーさん、ついでといってはなんですが」
「おかゆも食べさせてほしい、だろ?」

 病床にふしても俺をこき使いたいのだとみえる。
以下略



18:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/16(木) 02:19:03.40 ID:4Tq6pmkmo

 食欲がない割に幸子は残すことなくおかゆとヨーグルトを食べ終えた。
 俺の手前、強がってみせたのかもしれない。
 食べてくれるに越したことはないか。

以下略



19:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/16(木) 02:22:11.26 ID:4Tq6pmkmo
 着替えているうちに外されたらしい、冷却シートの貼られていない幸子の額に手を置く。
 ぴくん、と幸子の体が強張る。じんわりと手のひらを伝う温度は高い。

「おい、熱だってまだあるじゃないか。それ貸せ、貼ってやるから」
「い、いいですよ、後で自分でやりますので」
以下略



20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/16(木) 02:25:42.01 ID:4Tq6pmkmo
「ふふ、ふふふふ、プロデューサーさんがそんな乱暴な人だったなんて……!」
「ひんやりして気持ちいいだろう」
「……気持ちいいですけど」

 憮然としている幸子を放っておいて、俺は帰ろうとする。
以下略



21:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/16(木) 02:27:55.99 ID:4Tq6pmkmo
「どうしたんだよ。……理由もないなら、もう帰りたいんだけど」
「わかってます。わかってますとも」

 幸子はゆっくりと、何度もうなずいた。

以下略



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