過去ログ - 長谷川千雨「鳴護アリサ、って知ってるか?」
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:
ちさめンデュ
◆nkKJ/9pPTs
[saga]
2013/10/02(水) 15:15:09.50 ID:1oPw+Rgx0
>>845
「毒液で溶かされています。ヒュドラと見て間違いありません」
「です、よね。たまたまこんなタイミングでこんな所で熊や虎が暴れるとも思えませんから」
その匂いに喉からせり上がるものを抑え込みつつ、
愛衣は自分を納得させる様に言う。
「この人数に装備であれば、ヒグマぐらいならそれこそ原形も残らない筈です」
刹那が転がる自動小銃を見て言った。
拳銃やSMGもその辺に転がっているが、
とにかく、ここで特殊部隊系の黒ずくめ姿で死んでいる面々の人数と武装を考えるなら、
一応武器の使い方を知っていればド素人でも獣を仕留めるぐらいは出来そうだ。
相手が怪獣でも無い限りは。
腕で汗を拭いながら、青い顔でふらふらと動いていた愛衣が何かを拾い上げる。
「佐倉さん?」
刹那が、低い姿勢で壁際に走る愛衣の異変に気付く。
「う、お、おおっ、おおおおおっ」
駆け寄った刹那の前で、愛衣は蹲りげぇげぇ戻している。
無理も無いと刹那も思う。愛衣の経験値がどの程度か分かりかねる所もあるが、
裏の仕事をして来た刹那でもこれは耐え難いものがある。
「う、えええっ、す、すい、ません」
背中をさする刹那に、既に胃液まで吐き出して目尻に涙を浮かべた愛衣が小さく頭を下げる。
その時、刹那は愛衣の脇に置かれたデジタルビデオカメラに気付く。
モニターを再生に成功した刹那の目が見開かれた。
それは、実験記録映像だった。
もっとも、撮影者も事情によりその作業を途中で放棄を余儀なくされたらしく、
途中から放り出された様な固定アングルの映像だけが続いている。
ヒュドラの生態、特に攻撃パターンに関する飽くなき実験が繰り返され、
ありとあらゆるパターン、状況を実際に作り上げ、対処した上での実験データが集積されている。
そして、それに基づく準備が行われるまでの時間稼ぎが実行されたしかる後に、
恐らく元の人数の五分の一よりも少ない人数になった黒ずくめの集団が、
多分その三分の二以上は無駄であったとしか思えない膨大な実験の結果から得られた
最も効率的な攻撃を展開しながらヒュドラを追跡してここから姿を消していた。
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