102:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/24(金) 06:24:08.96 ID:J60wAoTTo
  
  わたしが玄関ホールの近くに行くと、話し声が聞こえた。 
  誰かがいる。 
  
 「……ですけど、本当に」 
  
  シラユキの声だった。わたしは姿を現すのを躊躇する。 
  彼女は、客人が来たときは隠れていてほしいと言っていた。 
  
  わたしはどうすればいいか分からずに、少しの間そこにとどまった。 
  戸惑うようなシラユキの言葉に対して、話の相手はすぐに返事を寄越した。 
  
 「ただの確認です」 
  
  声は言った。低い、太い声。男の声だろう。わたしは男の人の声をはじめて聞いた気がした。 
  あのとき階段で聞いた声が幻聴だったら、本当に初めてだ。 
  
  わたしはホールの脇の壁に隠れて聞き耳を立てた。 
  
633Res/436.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6] 
板[3] 1-[1] l20 
	このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
	もう書き込みできません。