103:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/24(金) 06:25:13.84 ID:J60wAoTTo
  
 「例の人影が、この屋敷の方に向かうのを見た者がいるのです」 
  
  すぐに、例の空き巣の話をしているのだと分かった。 
  わたしは壁にもたれて静かに溜め息をつく。男の神経質そうな声。なんだか、無機質な印象を受ける。 
  
 「……ですが、本当に、何も起こっていませんから」 
  
  わたしは戸惑う。 
  どうしてシラユキが嘘なんてつくんだろう? 
  
  それとも、彼女はわたしの言ったことを信じなかったのだろうか? 
  そんなわけは、ない、と思うのだけれど。 
  
 「ですから、確認なのです。ご存知でしょう。私の仕事です。仕事はしなくてはならない。 
  規則です。規則は守らねばなりません。じっさい私は、人影が目撃された家のすべてを自分の目で確認しました。 
  この屋敷も確認しなければなりません。例外はありません。規則なのです」 
  
  
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