過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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109:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/24(金) 06:31:51.19 ID:J60wAoTTo

 シラユキは少し不安そうな顔をした。
 でも、他のどこでも同じなのだ。彼女は最後に覚悟を決めたように頷いた。

「じゃあ、書斎の中に身を隠して、内側から鍵をかけてください。
 中に入るときはわざと音を立てますから、それから可能なかぎり隠れていてください」

「……鍵なんてかけたら、怪しまれるんじゃ」

「大丈夫です」

 シラユキはまた、妙に確信を込めた声を出した。
 下界の人間について何かを言うとき、彼女はときどきこんな声を出した。

「わかった。じゃあ、隠れてる」

 シラユキは間を置いて玄関ホールに戻ると言った。わたしはすぐに書斎を目指す。
 どうしてこんなことをするのかは分からない。どうして会ってはならないのだろう。
 でも、わたしだって彼に会いたいわけじゃない。
 むしろ、あの男の声からは、なにかいやな感じがした。




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