161:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/27(月) 07:30:59.42 ID:Mlv00GWXo
それから彼女はわたしの方を見る。静かな視線だった。
「嫌なのはわかります。ですけど、彼をここから追い出すわけにはいかないんです。
仮に、あなたがここにいなかったとしても、わたしは彼をここに滞在させると思います。
彼をここに置くのは、あなたがここにいるのと同じことなんです。こういう言い方をすると、混乱するかもしれませんけど」
言葉の通り、わたしはまた混乱に放り込まれた。
「下界に行かせるわけにはいきません。彼がここに無事にやってこられたのだって、奇跡のようなものですから」
要領を得ない話し方だったけれど、わたしは反論する気力を失ってしまった。
シラユキが決めたことに、どう逆らえるというんだろう。
わたしはシラユキによって、かろうじて生かされているだけなんだから。
わたしと"ツキ"が黙り込んだのを見て、シラユキは静かに溜め息をついた。
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