過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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20:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/19(日) 09:57:10.95 ID:6wN2+WcTo

 これまでは、この雨の音を聞きながら、本を一日中読み続けることも苦痛ではなかった。
 でも、今日はひどく物憂い。身体を動かすのも億劫だ。

 閉ざされているのだ、とわたしは感じる。
 こんな屋敷に一日中引きこもって、何もせずに過ごすなんて、それは異様なことに思える。
 何に比べて異様なのかは、分からないけれど。

 けれど反対に、それは仕方ないことなのだとも思う。 
 だってそれは、わたし自身が望んだことだから。理由は分からないけれど、そう思う。

 今までは、こんなことはまったく気にならなかった。自分について深く考えたこともなかった。
 考えるのはいけないことだとすら、考えていた。

 夢は夢ですから、とシラユキが微笑む。その表情を思い出す。
 なにか、とっかかりすらない不安のようなものを感じた。
 




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