22:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/19(日) 10:00:20.08 ID:6wN2+WcTo
わたしはシラユキがいなければ自分ひとりでコーヒーをいれることもできない。
カップどころかスプーンが置かれている位置さえ分からないのだ。
それは、わたしの生活力の無さだけが理由ではないはずだ。そういう部分もあるかもしれないけど。
けれどシラユキには、わざとそのようにして、屋敷の中をややこしくしているところがある。
まるでわたしに、この屋敷の中で何もしてほしくないみたいに。
反対に彼女は、わたしが本を読んだり、音楽を聴いたりすることを好んだ。
なぜなのかは分からない。だけどわたしは、できるかぎり彼女の望むように生活しているつもりだ。
わたしの生活は、彼女の存在によって成り立っているのだから、当然と言えば当然だ。
もちろんシラユキに隠れて軽い食事をとったりすることもある。
実際、シラユキは嫌がるような素振りを見せるだけで、わたしを制限しようとはしないのだ。
シラユキが何を考えているのか、わたしは知らない。
彼女はわたしに多くのものを与えてくれる。それだけを覚えていれば、それでいいのかもしれない。
でもときどき、何もかもが嫌になって、この屋敷を抜け出してしまいたいとも思うのだ。
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