350:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/08(土) 06:22:50.81 ID:Onzl2ZvFo
猫の姿は見るからにシラユキに似ていた。
雨と土に汚れ黒ずんではいたけれど、毛並みは薄くクリーム色がかっていた。
瞳の色は左右どちらも鳶色だった。
抱き上げようとすると、猫は抵抗もなくわたしの腕にもぐりこんできた。
ちょっと気になって確認してみると、ちゃんとメスだった。
かといって、彼女がシラユキだという話にはならない。
この世界に猫のシラユキは居ない。彼女は死んでしまったのだ。
ただ似ているだけの猫(髪や目の色や体つきや性別が一致しているからといって、同一人物だということにはならない)。
でも、この森の中に生き物がいるのはちょっと妙だった。
もちろん、本来なら森の中に生き物がいたって変じゃない。けれど、この森で生き物を見かけたことはないのだ。
屋敷で暮らしていたときも、鳥の声ひとつ聞いたことはなかった。
それも、どうして猫なのだろう?
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