過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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36:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/20(月) 06:21:12.82 ID:kVieGjdco

 本の冊数は三冊だった。わざわざ数え直さなくても、見ただけで分かる。
 念のため、一冊一冊、しっかりと手で確認してみた。三冊だ。
 思わず机の周りを見回す。枕元も床も、全部。

 でもない。部屋中探しても、本は三冊だけだった。もともとそうだっただろうか?
 違うような気がする。わたしは書庫から、本を四冊持ち出したはずだ。
 
 ……記憶違いということもあるかもしれない。
 いつも、読みたい本を読める範囲で、気まぐれに持ってきているだけだから。
 
 気のせい、なのだろうか。そうではないという気がする。でも、それ以外に考えられない。
 本は勝手になくなったりしないし、シラユキだって勝手に――しかも一冊だけ――片付けたりはしないだろう。
 
 どこかに置き忘れたのだろうか? でも、部屋に戻ってきたときは、たしかに四冊あった気がする。
 それ以降は、ずっと机の上においていたはずなのだ。
 
 しばらく考え続けていたけれど、結局ばかばかしくなってベッドに倒れ込んだ。
 勘違いだ。そうじゃないとしたら、なんだというんだろう?
 本は勝手になくなったりしない。勘違いだ。




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