過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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370:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/09(日) 07:20:57.64 ID:Z1eyICRMo



 木々の中を歩いていく。自分がどこを目指しているのか、分からなかった。
 何もかもが覚束なく、頼りなかった。

 歩けば転びそうになったし、立ち止まればふらつきそうになった。
 声を出せば雨の音にかき消されたし、目を開ければ視界は歪んで見えた。

 何をしようとしても上手くいかなかった。どれだけ上手くやろうとしても無駄だった。

 わたしはできるかぎり完璧にやろうとした。
 転ばないように歩こうとしたし、ふらつかないように立っていようと思っていた。
 何かを言うならば大きな声で言おうと思ったし、しっかりと目を見開いて物事を見ようと心掛けていた。

 でも全部が全部上手くいかなかった。まったくの無意味だ。
 わたしの手も足も、目も喉も、欠陥だらけのガラクタだった。
  
 いつだって自分のことしか考えられない。だからわたしはわたしが嫌いだ。
 それも、もうすぐ終わる。わたしは自分を世界ごと捨てることで、嫌いな自分を見ずに済むようになる。
 
 それなのに、どうして今になって、繰りかえし、自分の嫌な部分ばかり見せられるんだろう。




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