371:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/09(日) 07:24:12.16 ID:Z1eyICRMo
気付けば、わたしの前を、猫が走っていた。
わたしはそれを、いつのまにか追いかけている。
何度こんなことを繰り返すのだろう。
どこか新しい場所に連れて行かれるのかと思ったけれど、彼女を追ってたどり着いたのは、さっきの井戸の前だった。
わたしはしばらくその場に立ち尽くした。
雨が強くなる。レインコート越しに叩くような雨粒がわたしを打った。
どうしようもなく悲しかった。
でも、それすらも身勝手なのだ。だから、そのことについては何も考えないことにした。
猫はわたしを置き去りにして姿を消す。
結果として残されたのは、自分自身だけだった。
そしてそれは、たぶん自分が望んだことでもあったのだ。
どうすればいいんだろう?
どうすればよかったんだろう?
頭の中で、そんな問いがずっとこだまし続けていた。
633Res/436.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。