377:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/10(月) 05:54:16.79 ID:eaBLS+OVo
頭が痛かった。どうしてこんなに痛むんだろう。
何もかもが刺々しい気配を纏っていた。
木々も雨粒も土も、すべてがすべて、視線のように無神経にまとわりつく。
仕方ないな、とわたしは思った。それから小さく溜め息をついた。
額に触れると、うっすらと汗が滲んでいるようだった。
こんなに、肌寒いのに。
わたしは井戸の中を覗き込んだ。
深く暗い。底が見えない。暗闇が、雨を静かに飲み込んでいた。
寒々しいほどの暗闇。わたしはその先に何があるのかを知っている。
それなのに、得体の知れない雰囲気が、肌にまとわりつく。
633Res/436.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。