過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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392:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/11(火) 07:58:18.40 ID:CqJ5WJUIo

 この部屋がただここにあるだけなら、わたしは何も考えずに済んだ。

 わたしが暮らしている屋敷についてだって、詳しいことは分からないのだ。
 ただ、そういうふうに出来上がってしまったものなのだろうと、シラユキの話を聞いてからは考えていた。

 でも……蝋燭に火がついているということは、ここに誰かがいたということなのだ。

 わたしが井戸を出て、ツキと話している間に、その人はここにやってきて、蝋燭に火をつけたのだ。

 この部屋には誰かがいたのだ。
 わたしでもなく、シラユキでもない。そしてきっとツキでもない。

 ティーカップは四人分。
 そのうちひとつだけ、紅茶が飲みかけになっていたはずだ。

 部屋中に埃が積もっていて、ひどく薄暗く、寒々しい。




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