過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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427:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/13(木) 07:01:30.94 ID:gz5u5IpNo

 いつも。ずっと。昔から。いつだって、わたしはわたしなりにまともになろうと思っていた。
 そのための努力だって必死にしてきたつもりだった。

 母がわたしを不快に思うのは、わたしが不快なことをしているからだと思った。
 他の子どもができることを、わたしがこなせていないから、他の子どものように愛してもらえないのだと。

 だからいい子になろうとした。好かれることができなかったとしても、嫌われ続けることは嫌だった。
 思いつくことは何だってやった。勉強だってがんばったし、それは成績にだって出た。
 でも、母は態度を変えなかった。何をやっても。どうすることもできないのだろうか、とわたしは思った。

 家庭訪問のときに、先生は体育の授業でわたしが走らないということを母に伝えた。

 母はわたしを叱った。どうして走らないの、と母は訊いた。
 走り方が分からないから、と言うと、母は強烈な皮肉でも言われたときのように激昂した。

 ごめんなさい、とわたしは謝った。そして体育の授業で走るようになった。
 どうすることもできないかもしれない。
 それでも、母が望む通りで居続ければ、ひょっとしたら何かが変わるかもしれない。そう思った。




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