過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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432:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/13(木) 07:05:08.03 ID:gz5u5IpNo

 シラユキは悲しそうな顔をした。もう泣き出してしまいそうな顔。
 今まで彼女は、何度こんな顔をしただろう。何度彼女にこんな顔をさせてきたんだろう。

「どうしたら……」

「助けに行く」
 
 間髪おかないわたしの返事に、彼女は息を呑んだようだった。

「準備をしたら、街に行く。ツキを現実に帰らせる」

「待ってください、そんなの……」

 無理です、とか、ダメです、とか、そういうことを言おうとしたのかも知れない。
 わたしがツキを逃がそうとすれば、そのことに下界の住人達が気付けば、彼らはわたしを捕らえようとする。

 それはシラユキにとって望ましいことではない。
 そうなってしまうと、わたしは自分の意思で選択することができなくなってしまうから。



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