過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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464:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/15(土) 07:04:45.47 ID:x3h76RAXo

 静寂が広場を包む。
 ほかの人々に遅れて、ツキが顔をあげ、わたしを睨んだ。
 
 思わず、息を呑む。
 ここには誰も、わたしの味方がいない気がした。

 人々はわたしを見つめたまま、ひそひそと声を交わし始める。
 最初は蚊の鳴くような小さな声だったのに、徐々に伝播し、広がって大きくなっていく。

 最後には口を開いていないものの姿が見えなかった。ざわめきの中心にわたしがいた。
 耳元で蝿が騒いでいるような大きな音になっていく。

 怖くなってシラユキを見たけれど、彼女はわたしの方なんてちらりとも見ていなかった。
 ただ壇上を見つめているだけだ。

 その視線を追いかけて、ふたたびツキを見る。
 彼は何も言わなかった。



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