52:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/21(火) 07:16:48.85 ID:0/iJLpbGo
書庫は地下にあるから、昼に行っても薄暗く、肌寒い。
蔵書の正確な量は分からないが、尋常な量ではない。
もし確認しようとするなら、本棚の数から数えなければならないだろう。
誰が集めたものなのかも、わたしは知らない。
そもそも、この屋敷が誰のものなのかも、わたしは知らないのだけれど。
それを思えば、わたしはあまりにわたしについて無知だという気がした。
かといって、別に知りたいとも思わないのだけれど。
むしろ、知ってしまうことへの恐怖の方が大きい。
それは自分の知らない自分を知ることに対する恐怖、ではない。
それを知ってしまったら、何かが壊れてしまうような、そんな予感があるのだ。
633Res/436.26 KB
↑[8] 前[4] 次[6]
板[3] 1-[1] l20
このスレッドは過去ログ倉庫に格納されています。
もう書き込みできません。