577:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/23(日) 03:29:42.17 ID:seth9kfao
わたしは現実に向かうべきなのかもしれない、と、そう考えてみることにした。
それから自分が嫌だと思ったこと、自分が逃げ出したもののことを思い出してみる。
すると、どれもこれもたいしたことではないような気がしてきた。
わたしはどうしてその程度のことで現実から逃げたのだろう、と思えそうな気がした。
なんだ、その程度のことじゃないか、と努めて考えるようにしてみようとした。
でも、だめだった。すぐに心は折れてしまった。
ツキは不意に拳銃を持ち上げた。それから、銃口をシラユキに向ける。
シラユキは怪訝そうな顔をした。ツキは「ばあん」と言って、銃を下ろす。それだけだった。
彼は弾倉から弾を外してその場に投げ捨てて、それから拳銃を放り投げた。
激しい雨の音が聞こえる。
雨の音を聞くと、わたしは安心する。
雨が降っている間は、ツキはわたしの傍にいてくれた。
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