過去ログ - 少女「雨が止んだなら」
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578:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/23(日) 03:30:40.90 ID:seth9kfao

「アヤメ」

 不意に、ツキはわたしを呼んだ。
 それから困ったように笑う。

「お前が死んでも、俺は生きる」

 わたしは反応に困った。だって、何も感じなかったのだ。

「でも、お前がいないと、とても悲しい」

 彼は今まで、何度かそう言った。
 わたしはそれを何度か聞いた。
 
 それなのに、今度ばかりは何かが違うような気がした。

「ツキがいなくなると、わたしも悲しいよ」

 泣き出しそうな気持ちで、わたしはそう言った。
 ツキがいなくなれば、わたしも悲しい。
 置き去りにされるのは、寂しい。




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