8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/05/18(土) 07:57:47.33 ID:0FhXK3hqo
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屋敷には大きな姿見があるから、わたしは自分の姿をちゃんと確認することができる。
わたしの髪は真っ黒にくすんでいて、瞳も焦茶色に近いが、ちゃんと確認しないと黒っぽくしか見えない。
肌もあまり綺麗とは言いがたい。前髪で隠しているけれど、額にはすぐにニキビができる。
手足も指も、細すぎてガイコツみたいだし、肌も青白くておばけみたいだった。
顔の輪郭だって丸っこいし、目だけが大きいのも、子供みたいでいやだ。
だからわたしは、わたしの部屋に置かれた姿見を見たくなくて、壁に向けてひっくり返していた。
そうすれば、わたしはわたしの姿をあまり気にしなくて済む。
シラユキだってわたしの容姿について何かを言うことはないし、わたしはそれ以外の人と出会うこともない。
家事も買い物もシラユキがすべてやってくれる。他には外に出る用事はなかった。
仕事をしたり学校に行く必要もない。そもそも、この街には学校なんてないらしいけど。
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