過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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14:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sagesaga]
2013/05/22(水) 00:13:16.25 ID:GshVNNRdo
勇者「何を?」

魔法使い「やっぱりさ、明日の戦い…………無傷なんていかないよね」

勇者「……相手は、魔王だからな」

魔法使い「だから、約束。……もし、あたしがやられちゃったらさ。助けに、来てね?」

勇者「言っただろ、『空』を見せるって。……絶対に魔王を倒すさ。みんなで」

魔法使い「あたしは、祈らないわよ。神様なんて信じてないしさ。……でもね」

回された手を確かめていた両手を下ろし、腿の上で組み、顔を勇者へ向ける。
すっきりとした、どこか憎たらしくも愛らしくもある笑顔が彼女に戻っていた。
そのまま、白い歯を覗かせるようにして彼女は言葉を続けた。

魔法使い「あんたと、戦士と、僧侶だけは信じるわよ。……『神様』なんかより、ずっと信じられる」

勇者「僧侶に怒られるぞ」

魔法使い「あはっ、あの子が怒ってるところなんて、魔王の姿見るより貴重じゃない?」

そんな一言に、一しきり笑ってから、勇者は天幕へ戻った。
そこには戦士が足をこちらへ向けて剣を抱くように眠っていた。
勇者も彼に倣い、剣をいつでも取れるようにしてから横たわり、毛布を引っかぶる。

明日は、全てが終わる。
『終わり』を終わらせ、『始まり』を始める、人類にとって記念すべき、そんな日になるはずだ。

その先にある平和を夢見て――――今は、眠った。


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