過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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149: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/30(木) 23:41:37.86 ID:rM6FpdA8o
その次の朝、騎士は一人で『淫魔』に会いに行った。
多少眠れはしても、日の出から少し遅れただけの時間に目が覚めてしまった。
屋敷の空気は冷え切っており、その澄んだ空気を取り入れながら、澱んだ空気の溜まり場へと降りて行く。
入った途端にかび臭い空気が漂い、どこからか水の滴る音も聞こえる。
こんな場所に五年もいれば、通常の人間は、たちまちに病みついてしまうだろう。
だが、彼女は……あの『淫魔』は、ここで五年、領主の精液だけで生き延びている。

最奥の牢獄の前に行き、松明で照らすと彼女は手枷を解かれた状態で、
裸身を冷たい床に丸めて膝を抱えるように眠っていた。
寝床代わりの藁さえも敷かれてはいない。
見えるのは、彼女の白くて美しい背中と、なだらかな尻にかけての曲線だけだ。
やはり、翼は無い。
尾てい骨を延長するように尻尾が伸びて床に垂れ、時折思い出したように、猫の尾を彷彿とさせる動きで跳ねる。

しばらく、そうして見つめていると……気配に気づいてか、彼女がむくりと起き上がる。

淫魔「ん……? あれ、あなた……昨日の……?」

騎士「……私を、覚えているのか?」

淫魔「覚えますよぉ。 ……五年ぶりに人に会えたんですから、嬉しくて〜」

騎士「えっ……?」

寝ぼけ眼を擦りながら、彼女は確かに言った。


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