過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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151: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/30(木) 23:44:03.16 ID:rM6FpdA8o
話によれば、彼女は人間界へとやって来た時に、なけなしの魔力を使い果たしたという。
制御も効かず、よりにもよって森の真ん中に出てきてしまい、そこで狩猟中の領主の一団に出くわした。
当然、伴っていた兵士にその場で捕らえられ……そして、今に至るらしい。

騎士「間抜けな」

淫魔「よく言われます〜。……よかったらでいいんですけど」

騎士「?」

淫魔「そのマント、いただけませんか〜? 床が硬くて寝づらいんです」

騎士「まさか、寝床にするつもりか!?」

彼女は、物欲しそうに騎士の身を包むマントをじっと見つめた。
星形の花を模した家紋が染め抜かれた、上質なビロードで織られ、銀の縁どりまで施された逸品だ。
それを彼女は、敷物代わりにしたいという。
あまりにも常識外れに無礼な頼みだが……騎士は、少し考え込んでから、あっさりと脱ぐ。

騎士「……いいさ、使え。私にはもう必要無い」

鉄格子を領主から受け取った鍵で開き、中にいる彼女に、それを差し出す。

淫魔「わぁ、ありがとうございます〜! でも、これ……高そうですね? 本当にいいんですか?」

騎士「出したものを引っ込められるか。……もう、私には帰る場所など無いんだ。その家紋も、もはや意味など無い」


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