過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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165: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/06/01(土) 12:08:53.66 ID:+j7WNh9Vo
あの時、不思議と体が動いた。
燃え盛る屋敷の中に残っていた淫魔、そして逃げ延びつつある領主と、自身。
何一つ、理由など無かったと思っていたのに……領主が馬に跨った所で、その踵は返ってしまった。
そして、騎士は単身、業火の中へ。

以下略



166: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/06/01(土) 12:09:28.06 ID:+j7WNh9Vo
屋敷から出ると、そこには、雑多な武器で滅多刺しにされた、領主の死体があった。
領主を討って沸き立つ領民達は、武器を捨て、叫びを上げていた。
大路には初めて見る活気があり、ほとんどの民がそこにおり、あちこちで炊煙まで上がっていた。

裏道を、人目を掻い潜るようにして逃げ延びた。
以下略



167: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/06/01(土) 12:10:05.77 ID:+j7WNh9Vo
――――――――

淫魔「なるほど、そういう事があったんですか〜。だめですねぇ、ちゃんと火の始末しないと〜」

騎士「……『火の用心』を怠った結果だとは私も思うが、どうせ違う意味なのだろうな」
以下略



168: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/06/01(土) 12:10:38.90 ID:+j7WNh9Vo
長い巻きスカートで、尻尾を隠す事ができた。
頭巾をかぶれば、角も隠せた。
ウエストに搾りのついた上衣は窮屈そうで、ボタンの上から二つまでが留まらないらしい。
最後にくるぶしまでが隠れるブーツを履けば、その姿は『人間』とまったく変わらなかった。

以下略



169: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/06/01(土) 12:11:14.42 ID:+j7WNh9Vo
騎士「よく覚えているな、お前」

淫魔「燃える水が噴き出るお山に、海に浮かぶ氷の島、お話してくれたじゃないですか」

騎士「やはりお前は、馬鹿でも無いな。一つ、教えてくれないか」
以下略



170: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/06/01(土) 12:12:54.94 ID:+j7WNh9Vo
彼女が語っていた、『母も、父親の顔を知らない』という言葉。
あれは決して、嘘ではない。
『覚えていない』でも、『分からない』でもない。
本当に…………『知らない』のだ。

以下略



171: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/06/01(土) 12:14:36.57 ID:+j7WNh9Vo
騎士「……すまなかった」

淫魔「えっ? もしかして、駄目なのですか〜?」

騎士「…………」
以下略



172: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/06/01(土) 12:15:05.23 ID:+j7WNh9Vo
投下終了
おそらくまた今夜

それではー


173:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/01(土) 12:58:46.07 ID:ii6TbTN5O

続きが楽しみだわ


174: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/06/01(土) 23:44:31.51 ID:+j7WNh9Vo
二人で見て回る世界は美しく、秋が終われば冬が来た。

白い息を吐きながら歩いていると、鼻先に冷たさを感じて空を見る。
灰色の雲から、『白』が抽出されて降り注いでいた。

以下略



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