過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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201: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/06/04(火) 03:19:41.17 ID:E/Gr+tAqo
淫魔「……で、何しに来たんだい? 悪ィけど、ここはもう『カミサマ』は品切れだぜ。他を当たんな」

底意地の悪い笑みを浮かべて、妙に大人げなく、彼女は言った。
見た目だけなら間違いなく美人と呼べるが、少女が訪れてから、悪辣に嘲るような表情を崩していない。
冷笑的に切れ込んだ唇の端からは、鏃のように鋭い歯列が覗かせていた。

淫魔「…………それとも、何? アタシと契約でもすんの? 魂取っちゃうよー?」

少女「あ、あ……ぅ……!」

ことさら脅かすような口調でからかうと、少女は後ずさった。
目の前にいるものが『人間』ではない事を確信して、慄いているようだ。
淫魔は、更に反応を愉しむように、言葉を続けた。

淫魔「悪い子は食べちゃうよ? それとも、魔界に連れていっちゃう?」

少女「いっ……イヤっ……こ、来ないでください!」

翼と尾をわざとらしく蠢かせて迫ると、少女はその場に尻餅をつき、かたかたと震え出す。
淫魔はそれを見て、一瞬表情を曇らせると――――

淫魔「なぁんちゃってさ。魂なんかいらねーよ、バーカ。……ゴメンゴメン、からかいすぎたわ」

ケラケラと笑い、軽い調子で、彼女にあっさりと詫びた。

淫魔「どした? ……アッハハハハ! 腰抜かしてやんの!」

少女「っ……!」

教会に響き渡る哄笑を受けて、少女は、恥ずかしそうに頬を染めるが、腰が落ち着くまでそうしているしかなかった。
彼女が立ち上がる事ができたのは、およそ数分後の事だ。


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