過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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216: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/06/04(火) 03:35:20.34 ID:E/Gr+tAqo
淫魔「人間ってさ、綺麗だよな」

淫魔2「そうねぇ」

淫魔「……アタシ達って、何なんだろうなぁ。ただ、クソみてぇにしぶとく長生きするだけでさ」

『淫魔』の時は、永い。
数万年にもなり、男の精を求め、人間の男との子を宿しはしても、添い遂げられる『良人』はいない。
『人間』と同じ時を過ごす事など許されずに、自分は変われず、
あっという間に老いさらばえる相手に先立たれる運命しかない。
瞬きのさらに刹那の時、真似遊び程度にしか、同じ時を歩むことなどできない。

だから、彼女は『これ』を見るのが好きだった。
都で行われる華々しく壮麗な、貴族同士の婚礼も。
素朴な村で行われる、ささやかだが幸せの満ち溢れる、村人の婚礼も。
酒宴も、誓いの口づけも、ブーケを投げる儀式も。
何よりも…………『ドレス』を見るのが、好きでたまらない。
その視線には、羨望と、慈しみと、祝福が確かに注がれていた。

淫魔「……まぁ、機会があっても着ねぇよなぁ。似合わねぇよ、アタシ達には」

同意を求められた二人めの淫魔は答える代わりに、少し困ったように、視線を伏せて苦笑する。

淫魔「そういやオマエ、仕事はどーした?」

淫魔2「休みぐらいあるわよ。飲みに行かないかしら?」

淫魔「『どっち』を?」

淫魔2「そうねぇ……今日は、お酒でしょ? 奢るわよ」


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