過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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27: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/23(木) 00:20:09.70 ID:4RdAMvYao
少し進むと、広い一本道の廊下についた。
ねじれた悪趣味な柱が両側に立ち並び、その遥か向こうに、ひときわ大きく荘厳な扉が見えた。
扉までは真紅の絨毯が敷かれ、壁面に据え付けられた奇妙なほど明るい照明器具は、昼間のように、
一切の影をつくらぬように明々と照らしていた。
その気になれば、天井の彫刻の一つ一つまで数え上げられてしまいそうだ。

まずは、罠を疑う。
魔法使いが幻術を疑い、戦士は物質的な罠が無いかを探る。
壁面から槍が突き出ては来ないか。
そもそもこの大廊下は、実際に存在しているものなのか。
それを最初に確認できたのは、勇者だった。

勇者「間違いない。あの扉の向こうに、いる」

戦士「……だが。これは……罠ではないのか?」

僧侶「ええ。いくらなんでも……」

勇者「否。魔王とて分かっている筈だ。こんな所で小細工を弄しても、俺達を倒せはしないと」

魔法使い「まっ、そのとおりよ……っ!?」

『気配』が、遥か彼方から一足飛びにやってきた。
だがそれは、『魔王』の禍々しい魔力とは違う。
もっと荒々しく、暴力的で――――単純な、『殺気』だ。

気付いた時には、殺気の主が目の前に音もなく立っていた。
その姿は戦士の体格を縦横に倍掛けしたように大きく、全身を覆い尽くすローブを纏っている。
顔すらもフードの暗闇に隠れて、これだけの光源があるというのに、顔はおろか指先さえもまるで見えない。

???「…………ここにきて罠など、あらぬ」

声は、意外にもはっきりとして野太い。
どこか武人めいた様子さえも認められ、少なくとも、ここですぐに仕掛けてくるようには思えなかった。

???「『魔界騎士』。もはやその名は、俺だけを指すものだ」


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