過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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37: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/23(木) 00:30:07.81 ID:4RdAMvYao
本当ならば……魔王との戦いの為に、使うはずだった。
戦いの中で闘気を蓄積し、振り切った士気を力に変え、数倍にも増す秘法。
弱き人類が生み出した、『限界を超える』力。


戦士の口から飛び出した闘気の震えは、どこまでも伸びる咆哮となった。
蛮王のごとき戦叫が、魔城の全てをビリビリと揺るがす。
崩れかけた壁から破片が落ち、例外ではなく――――魔界騎士の、漆黒の鎧膚をも震わせた。

魔界騎士「……雨雲が消えた時、雷もまた消え去る。貴様らは、分かっているのか」

鎧にまとわりつく震えを振り払うように軽く剣を振り、『強敵』は言う。

魔法使い「そろそろ黙んなさい。あんたの向こうに、あいつが待ってる。……だから、そこ」

進み出て、戦士の利き手側に寄り添うように魔法使いが立つ。
前のめりに、その強大な敵の向こうを目指すかのように。

魔法使い「邪魔だっつってんのよっ!!」

気迫を受け止めるように、魔界騎士は剣を引いて盾を前面に押し出す、戦列重装歩兵の構えを再び取る。
兜のような頭部、その顔面に走る数本のスリットが――微笑む唇のように歪んだかに、三人には見えた。
英雄物語で飽くほど聞いた言霊を、そして彼は紡いだ。

魔界騎士「――――『此処を通りたくば、我にその力を示せ!』」



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