過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
[sagesaga]
2013/05/22(水) 00:06:23.15 ID:GshVNNRdo
杖に魔力を込め、一振りする。
たった、それだけの動作で――――二頭の『仲間』とその馬車は、目の前からいなくなっていた。
蹄跡と轍、そして草の上に落ちた数本のたてがみを除いて、もはや名残は無い。
魔法使い「さ、終わった終わった。……戻って、『最後の晩餐』にしましょ」
僧侶「『最後』ではありません」
魔法使い「そーね。『最後かも知れない晩餐』にしときましょっか」
僧侶「…………」
後ろ向きな軽口は、恐怖を誤魔化すのにはうってつけだ。
真剣に受け止めないようにすれば、心は絶望に凍りつくことは無い。
それは、『覚悟』を遠ざける振る舞いだった。
彼女も、僧侶も、ただ、実感してしまった。
もはや、引き返す手段はない。
手持ちの食料も、今日の夕餉と、明日の朝を残して全て食べつくす。
残るのは旅の道具と武器と、そして身一つ。
城へ乗り込み、並み居る城主の配下と干戈を交えて斬り進む。
最後の戦いのそのまた最後、玉座の間にいる者の名は――――。
何度も反復しても、未だその名の怖ろしさは薄れない。
今、この場で呟いてしまえば、心が折れてしまいそうだった。
もはや匂いさえも届く距離に、『それ』がいるのだから。
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