過去ログ - 魔法使い「勇者がどうして『雷』を使えるか、知ってる?」
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86: ◆1UOAiS.xYWtC[saga]
2013/05/26(日) 02:30:40.04 ID:UMPAG6Zoo
魔法使いと戦士が先導し、王女を演壇へと導く。
気付いた民衆が道を開け、巡回の衛兵は、泡を食ったように絶句していた。

やがて、彼女が演壇を登り、広場に集まった民衆に向き合う。
その両脇を固めるように、二人は杖と剣に手を添えて侍る。。

王女「皆さま、ごきげんよう。……私はこの王国、王位継承権第三位。王女。急ですが、どうかお許し下さい」

その一言で、広場は一瞬のうちに静まり返った。

王女「先日の、勇者様ご一行の凱旋でお気づきになられたかと存じますが、まず、はっきりと言わせていただきます」

彼女は息を吸い込み、言い聞かせるように――――宣言したように、言い切った。

王女「魔王は討ち滅ぼされました。そして。勇者様も、また……世を去りました」もう、魔王に怯える日々は来ません。
    世界は、再び安寧を取り戻しました――――と、皆さまに言えたのなら……どんなに良かったかと思います」

付け足した言葉に、聴衆は怪訝な表情を浮かべた。
やがて、「どういう事ですか!」と野次が飛び、王女がそれを飲み込むように頷くと、演説が再開した。

王女「……恐らくは、この王国と隣国の間で、近い内に……戦争が、再開されます」

広場に悪魔が通ったような沈黙が駆け抜け、衛兵達が演壇に近づこうとした。
その者達へ、魔法使いと戦士は視線を向け、武器に添えた手を握ってみせた。
それだけの事で、彼らの身体は硬直して、『聴衆』の一人になる。

王女「ですが、果たして――――それは、勇者様の望みでしょうか」


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