過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」
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7:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/24(金) 17:09:26.14 ID:raX+wY0oo
恵美「あ、ごめんなさい。雑談していて怒られませんか?」

青年「別に少しくらい平気だよ」

言われてほっとする。
そうだ、名前。今なら彼の胸に、苗字を記したプレートがある。
そちらに目をやると――

恵美「…………まおう、さん?」

真奥「ああ、うん。よろしく」

そう言った彼は、どこからどう見ても、日本の一庶民だった。

恵美「……ッ、あは、あはははっ!」

真奥「えぇ、そんな笑うほど変な名前?」

恵美「や、そうじゃなくて、あはは、ごめんなさ、っはは!」

彼には悪かったが、どうしようもなく笑えた。
魔王を憎み、魔王を倒すためだけに生きてきた私を助けてくれたのが、
よりにもよって「まおう」だなんて、皮肉なジョークにも程がある。
が、あまり笑っていても本当に失礼だ。腹を抱えて、なんとか収める。

恵美「――っはあ、本当にごめんなさい。それで、注文……」

真奥「ああ、それなんだけど」

そこで初めて彼が顔を曇らせる。

真奥「ごめんな、ポテトサービスするっつったけど、今機械が壊れてて……もう少しで修理が終わるんだけど」

真奥「待たせるのも悪いし、礼とか気にしてるんなら今日はいいよ、ホントに」

真奥「なんか来てもらって悪い。次があったらお詫びするからさ」

そうだったのか。言われて奥を見れば、何やらポテトの機械のメンテナンスらしきことをしている。
しかしここまで来て他の店に夕食を食べに行くのも面倒だった。
どうするかと悩みかけたところで、まずはここに来た一番の目的を果たすことにした。


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