過去ログ - 恵美「もしも魔王の正体に気づかなかったら」
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8:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/05/24(金) 17:10:16.01 ID:raX+wY0oo
恵美「あの、それより傘、お返しします」

昼間借りた傘を差し出す。
ポテトのサービスに釣られて来たように思われるのは、その、色々とまずかった。

真奥「あー、持ってきてくれたんだ、ありがとう。えーと、どうしようかな……」

彼が悩む素振りを見せる。何かまずかっただろうか?
……ああ、この場で渡されて、一度傘を置きに裏まで引っ込んでいいものか考えているのか。
その辺りに置いていては、動きまわる店員の邪魔になるだろう。
いきなりカウンター越しに差し出すのは配慮が足りなかったかもしれない。

そのとき、不意に閃いた。

恵美「えっと、ポテトの機械ってもうすぐ直るんですよね?」

真奥「え? うん」

恵美「真奥さん、今日何時まで働くんですか?」

真奥「えーと、あと一時間ちょっとかな。22時まで」

恵美「それなら、」

そこから先を言葉にするのは少し勇気が要った。
この国の一般的な感覚で、許容範囲内のセリフだろうか?
いやそもそも、エンテ・イスラの男女交際の感覚すら分からない私だ。
悩むだけ無駄と断じて、衝動に身を任せることにした。

恵美「私、ここでご飯食べながら傘持ってお仕事終わるの待ってます。ポテトは機械が直ったら出して下さい」

恵美「それで、私笹塚駅から帰るんで、駅まで送ってもらうのがお詫び、ってことでどうでしょうか」

口を挟むヒマを与えず、一息に言い切った。
梨香の忠告を思い出すが遅い。まるでこちらから誘うようなことを言ってしまった。
けど、それでも――これで縁が切れて終わり、ということだけは嫌だったのだ。


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