過去ログ - 台風がとどまり続ける市を舞台にシェアワやろうぜ
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62:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/09(日) 19:12:40.15 ID:plR7JjR6o



 そもそも悪いのは台風である。
 来るのは許す。彼は天災自体にはさほど怒りを覚えたことは無い。
 何故か止まってしまったことも良いだろう。奇怪な現象だが、彼の知ったことではない。

「いやー焦っちゃいました。そうでしたね、私いつも外からこのお庭が見えてたからお邪魔したのに」

「男一人暮らしなもんで、あんまり気にしたことは無かったですが」

「え、この広い家に一人で?」

「色々ありまして」

 はへー、と気の抜けた声を漏らす彼女を見やりながら、彼はもう一つ溜め息をつく。
 悪いと言えばこの家も悪いのだ。無駄に広いからこういうことになる。
 まあ彼もそれは承知の上で住んでいるので今更どうこう言うつもりも無いが。

「しかし、面白いことになってますよねー。こっちはこんなに晴れてるのに」

 言って彼女は立ちあがり、小走りで部屋を出た。
 遅れて彼も大儀そうに立ち上がり後を追う。
 庭の反対側、彼が寝室として使っている部屋の前の廊下に彼女は立っていた。

「こっちはこんなに――わぶっ!?」

 彼女が廊下の突き当りの窓を開けた瞬間、暴風と豪雨が待ちわびたかのように殺到する。
 彼は慌てて手を伸ばし、横殴りの風雨に顔面を嬲られている彼女の後ろから窓を閉めた。




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