過去ログ - ユミル「雪山訓練の後」クリスタ「ちょっと仲を深めました」
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VIPにかわりましてNIPPERがお送りします
2013/05/30(木) 22:01:28.02 ID:XMMZm2AR0
ネタバレあり、ユミクリ、百合、くそ短い、ねつ造
―――雪山で三人とも下山できた日の夜のこと―――
自分以外のやつのことを、私は今まであまり考えなかった。
だって、そうだろう。隣の家が巨人に踏まれたって助けになんていかない。生きる意味も死ぬ意味もそいつの責任で運命。
そもそも、自分以外の枠をせっせと設けている間に、生き残る確率が減ってしまう。
死んだ奴は可愛そうだなとか、そのくらいは思うさ。情け程度にはさ。まあ、悪いのは巨人とかじゃなくて、そいつの運だったってわけ。
中には、自分の操縦席を「はいどうぞ」と明け渡し、自分の人生を誰かが消費するのを待っている、そんな気持ちの悪いやつがいるけれど。
そうさ―――、一度目の人生は舞台にすら立っちゃいなかった。
二度目は違った―――、運命は変えられる。自分も他人も世界も。だから、そいつを見ると妙に気持ちが落ち着かないんだ。
「ユミル……ダズ、なんとか大丈夫そうだって」
気が付くと、クリスタが扉の傍にいた。私は登山用の靴を脱ぎながら、軽く視線を向ける。
「そう、良かったじゃん」
「うん……本当に良かった……ユミルの、ユミルのおかげだわ」
「私じゃなくて、あいつのパンくずみたいな生命力を褒めてやんなよ」
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