過去ログ - 慎二「お前が僕のサーヴァントか!」その2
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745: ◆DDBjj51DRA[saga]
2013/08/21(水) 20:27:30.52 ID:m4JKCLtB0

二階に上がった両名は、二階の捜索を開始した。
目的は勿論ユーブスタクハイト・フォン・アインツベルンの殺害だ。
最上階に居る、などと言う愚かはいくら戦術眼が無くてもしないだろうという憶測、ある種の期待を込めた行動。
しかし、この行動が招くのはアインツベルンの八代目当主では無く―――――

『――――!…クズキ!来るぞ!』


「■■■■■■■■■■■■■■■――――――――――――!!!」


灰色。
ここと上層を隔てる天井を砕いて現れたのは――――視界を埋め尽くす、灰色だ。
あそこまで暴力だけで完結した肉体を、葛木は今までに見たことが無かった。
破壊するための構造。破壊するための駆動。破壊するための破壊。

「――――こ、これは――」

『バーサーカー…狂戦士のホムンクルスだ!クズキ、貴様は退け!私でなければこいつの相手は出来ない!』

「くっ!」

言われた通りに、葛木は退く。
一目見た瞬間に、あれは人の手に余る物でないことは分かった。
造られたとはいえ、所詮人殺しの道具としてだ。
キャスターとは違う。
キャスターは――――――――――――《最強》の名を冠するために、造り出された怪物。

きっとこれが、キャスターとの別れだろう。
最強たるキャスターでさえ、あの灰色を相手に魔力を温存しては戦えない。
魔力が切れたとき――――それはキャスターの消滅するときだ。
ならばこそ、別れは言うまい。
現状で自分に出来ることをするまでだ。
男はキャスターに背を向けて、その場から走り去る。
声は無い。あるのは―――靴が床を叩く音のみ。



『それでいい。――――貴様を生かす。私はそのことに、意味を見出しているのだから』




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