過去ログ - クリスタ「ユミルを好きになるお話」ユミル「ほう」
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80:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/16(日) 22:12:04.51 ID:ruhryq9v0
「あなた、確か……」


見たことのある顔。声。瞳。私は彼女に会っていた。大きな瞳で私をのぞき込んでいた。一際大きな体躯であった。普通の巨人とは異なる挙動を見せていた。それを奇行種だと判断した。


それを、今さらになって思い出した。


「あは……やっぱり覚えてるのね。うっかりあなたの名前を呼んでしまったのは凡ミスだわ。まだ、制御がきかないのね」


彼女は独り言のように、早口でまくし立てた。


「何を言ってるの……」

「知らなくて良かったのにねえ。あなた個人に恨みはないんだけど」

「……私を、騙してたの?」


全部、嘘。彼女が言っていることは、つまりはそういうこと。


「ここまで来るのに、誰かに見つかったら人質にしたかったし。あなたって、一目見たときからそういうの似合いそうって気がしたわ。でも、こんなに簡単に騙されちゃうなんて。可愛いわね」

「酷い……」

「酷い? 酷いのはあなた達の方なのよ? 私の同胞を虫けらのように殺して。あの、エレンとか言うやつは許せない。ユミルとか言うのもね……手始めに、あなたの心臓を供物にするから……じっとしてて頂戴ね」


彼女は腰を低く構える。肩を落とすと同時に、ブレードの切っ先を地面と平行になるようにこちらに向けていた。


「余計なこと喋られても困るし、もう、遊んでる時間もないのよ。じゃあ、さよなら」


刹那、間合いが一気に詰められる。背後に足場はもうない。私の体力では避けても次は防げない。逡巡したが、後ろに飛ぶしかなかった。



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