24: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/07(金) 14:43:13.10 ID:/rY7KXeB0
「彼には口封じされていたのだが、仕方ない。 ここがプロデューサー君の入院している病院だ」
社長は私に住所と部屋の番号が書かれた紙をそっと握らせてくれた。
「行きたまえ。 如月君の大切な人の元へ」
25: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/07(金) 14:43:55.70 ID:/rY7KXeB0
「千早へ」
冒頭には短く私の名前だけ書かれていた。
「千早がこれを読んでいると言う事は、とても辛い思いをした後だと言う事になるな」
26: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/07(金) 14:44:21.73 ID:/rY7KXeB0
「でも、わかって欲しい事がある」
たぶん、社長が言ってた事かな……?
「千早の事を考えた上での判断だったんだ」
27: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/07(金) 14:45:00.24 ID:/rY7KXeB0
「本当に、すまなかった。 俺は少し体調を崩してしまったんだ」
謝る事なんてない……私も以前同じような事をしたから。
「だが、心配しなくていい。 少し長引いてしまうだろうが最終的には確実に完治する」
28: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/07(金) 14:46:24.04 ID:/rY7KXeB0
私は事務所を飛び出し、向かい風の吹く中、必死に走った。
社長がわざわざ私にくれたチャンスを逃したくはない。
私が探し続けていた――大切な人の声が聞こえたような気がしたから。
29: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/07(金) 14:46:54.74 ID:/rY7KXeB0
私は必死に走り続け、病院へと辿り着く。
「こ、この部屋は……この番号の部屋はどこですか……!」
受付で部屋番号を言い、場所を聞こうとする。
30: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/07(金) 14:47:41.86 ID:/rY7KXeB0
部屋の場所を聞き、私は部屋の前に辿りついた所で一息をつく。
さすがにこんな血相を変えた様子で行ったら驚かれるだろうし……
落ち着いて部屋のドアをノックして。
31: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/07(金) 14:48:13.25 ID:/rY7KXeB0
「ち、千早――ど、どうしてここに!?」
私の顔を見て驚くプロデューサー。
「あんな手紙を残しておきながら……どういうつもりなんですか」
32: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/07(金) 14:48:49.22 ID:/rY7KXeB0
「まぁ、いいですよ。 私の事を考えてくれていたのだから良しとしましょう」
「え、それじゃ……!?」
何故か期待に満ちているような目で私の顔をじっと見つめている。
33: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/07(金) 14:49:15.55 ID:/rY7KXeB0
病院に来る途中、握り締め続けてしわくちゃになった手紙を私が再び開こうとすると――
「ちょ、ちょ、ちょーっと待って!」
「え? 何ですか?」
34: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/07(金) 14:49:57.53 ID:/rY7KXeB0
とりあえず私はプロデューサーの傍に立った。
「千早、その手紙どこまで読んだ?」
「えーっと…… 「それと、千早」 って所までですね」
「ほっ……」
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