過去ログ - 八幡「徒然なるままに、その日暮らし」
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262: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/29(土) 22:46:05.70 ID:DC09rvNV0
「んふふ、気になる? ねぇ、気になるの? わたしと比企谷くんが、雪乃ちゃんのいない所で、二人きりで、仲良くテーブル挟んでお昼しながら何を話してたか」
「何を馬鹿なことを言っているのかしら。どうして私がそんなことを気にしなくてはならないの?」
「もう、そんなに苛々しないで、ね?」
「苛々などしていないわ、言いがかりは止めて頂戴」

以下略



263: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/29(土) 22:54:43.05 ID:DC09rvNV0
 と、陽乃さんが、俺の懇願の視線に気付いたらしい。
ぱちくりと一度瞬きして、花咲くように微笑む。
その顔を見て瞬時に理解した。
この人は俺の真意を読み取って――期待の逆方向に答える気だ。

以下略



264:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[sage]
2013/06/29(土) 22:57:43.39 ID:l63xR0N2o
ゆきのんかわいいよー


265: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/29(土) 23:07:16.55 ID:DC09rvNV0
 怖ぇ! だから怖いって、そんな睨まなくてもいいだろ。
視線は鋭いし、声は尖ってるし、空気は重いし、おまけに言葉もいつもの五割増しで毒が効いてるし。
一体、今日の俺のどこにそんな落ち度があったってんだよ……終いにゃ泣くぞ。
正確には姉妹に泣かされてるんだけど。上手いこと言ってる場合か、俺?

以下略



266: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/29(土) 23:15:42.03 ID:DC09rvNV0
「ふふ、嫉妬しちゃって、可愛いんだから、雪乃ちゃんてば」
「っ! その妄言を今すぐ撤回しなさい姉さん。誰が何をしているですって?」
「大丈夫大丈夫、お付き合いのお話って言っても、わたしと比企谷くんのことじゃなくて、雪乃ちゃんと比企谷くんのことだから。安心した?」
「冗談でしょう、むしろ鳥肌が立つわ。いえ、屈辱に身を震わせるべきかしら」

以下略



267: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/29(土) 23:25:28.69 ID:DC09rvNV0
「うん、それじゃあ十分楽しんだし、わたしはこれで退散しようかな」
「待ちなさい姉さん、話は終わっていないわ。というか、そもそも何か渡す物があると言って私を呼び出したのでしょう?」
「うん、だから、これ」
「これ?」

以下略



268: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/29(土) 23:34:04.91 ID:DC09rvNV0
「比企谷くんは雪乃ちゃんのだからね、わたしが手を出したりはしないよ、安心して」
「むしろその誤解に不安になるわ、何度も言うけど私は――」
「だって、先に雪乃ちゃんが出会っちゃったんだもんね」

 言いかけた雪ノ下の言葉に、敢えて被せて話す陽乃さん。
以下略



269: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/29(土) 23:43:57.34 ID:DC09rvNV0
「な、何の話?」
「ん? 比企谷くんに出会ったのは雪乃ちゃんが先だったでしょ? それはわたしが勝手に手を出すわけにはいかないじゃない」
「だから何を言っているの? 姉さん、意味が分からないわ」
「そんな難しい事言ってるかなぁ? さっきも言ったけど、わたしと比企谷くんがこの先どうこうなることは多分ないよ? でも、出会いが少し違ってたらどうだったかなーって、ちょっと思っただけ」

以下略



270: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/29(土) 23:52:06.13 ID:DC09rvNV0
「ま、仮定の話なんて大して意味も無いんだけど。でも、もし比企谷くんがわたしと先に出会ってたら、わたしを先に知っていたら――もしかしたら、わたしの隣が比企谷くんの居場所になってたかもね。だってこーんな楽しい男の子、きっと手放さなかったと思うし。あ、もしかしたらちゃんと矯正もできてて、今頃凄く綺麗な目になってたりして。ふふ……」

 心底愉快そうな陽乃さんに対して、雪ノ下は気圧されたように固まってしまっている。
何かを言おうとして、けれど言葉にすることができず、結局黙り込んでしまう。
ついさっきまでの冷たい空気が、実は春の陽気だったのではないかと思うほどに、今の二人の間の空気は冷たく凍てついている。
以下略



271: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/06/30(日) 00:00:29.78 ID:ChvAzoBW0
 その言葉は。その真意は。
傍で聞いてるだけの俺にさえ、よく伝わってきた。
それは他でもない、雪ノ下へのあまりに露骨な挑発だ。

 すなわち――自分がその立場なら、きっともっと上手くやれている、と。
以下略



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