過去ログ - 八幡「徒然なるままに、その日暮らし」
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689: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/09/08(日) 21:43:39.67 ID:w+pXWpAe0

 それから、何時までも道を占拠してる訳にもいかないし立ちっ放しで少し疲れてもいたので、喫茶店へ立ち寄ることに。
幸い店もすいていたのでスムーズに注文を終えて席へ。
そこで俺もようやく一息つくことができた。が、ついたため息がひどく重い。
どうやら想像以上に疲労していたようだ。
以下略



690: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/09/08(日) 21:55:21.49 ID:w+pXWpAe0

「しかしパンさんって本当に人気あるんだな、あれだけコーナー占拠してるとは知らんかった」
「当然でしょう。無知って怖いわね。全世界で愛されているキャラクターなのよ? パンさんは」
「ま、まぁ限定グッズが出るくらいだもんな。それにしてもあれだ、ファンとしちゃ嬉しいだろうけど、それ以上に大変だろ」

以下略



691: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/09/08(日) 22:05:32.50 ID:w+pXWpAe0

 その判断が功を奏してか、雪ノ下がパンさんの魅力を語り始めることはなかった。
が、言葉だけじゃなく動きまで止まってしまっていて。
よく見れば、やけに難しい表情を浮かべている。

以下略



692: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/09/08(日) 22:12:37.15 ID:w+pXWpAe0

「えぇ、その通りよ。限定グッズは時々発売されるのだけれど、全て手に入る訳ではないの。もちろん私もできる限り手を回して策を尽くして事に当たるわ。けれど一人ではどうしても限度があるから……今までだって一体何度苦杯をなめてきたことか」
「表現が一々怖いんだけど。何? お前一体何と争ってんの? キャラクターグッズの話をしてるはずなのに、どうしてそんなに殺伐とした世界観が展開されてんの?」

 微妙に悔しそうな表情で語る雪ノ下に、思わず突っ込まずにいられなかった。
以下略



693: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/09/08(日) 22:22:51.13 ID:w+pXWpAe0

「お金だけの問題ならともかく、今回みたいに数量限定となると、どうしてもね。かといってネットオークションの類はどうにも信用が置けないし」
「お前も案外苦労してんだな」

 深いため息と共にしみじみと語られてしまった。
以下略



694: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/09/08(日) 22:30:59.66 ID:w+pXWpAe0

「まぁ、その、もしまたこういうのがあったら、言ってくれれば別に手くらい貸すぞ」
「あら、どういう風の吹き回しかしら?」

 さっきと同じような返し。
以下略



695: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/09/08(日) 22:40:28.37 ID:w+pXWpAe0

「……さっきも言っただろ、それと同じ理由だよ。あとは察してくれ」
「人任せは感心しないわね。あなたの言葉で聞きたいのだけれど」
「お前、意地が悪いぞ。つーか何度も聞いたって仕方ないだろ、こんなの」
「そんなことはないわ――だって、悪い気はしなかったもの。あなたが純粋にそう考えてくれたことは、ね」
以下略



696: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/09/08(日) 22:50:55.28 ID:w+pXWpAe0

 もはや否も応もない。
心の中で静かにお手上げだ。
ここまできてしまえば、もう何を喋っても一緒だ、とか。
そんなほとんどやけっぱちみたいな心境で、本音のところを口にする。
以下略



697: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/09/08(日) 22:57:33.25 ID:w+pXWpAe0

 優雅に微笑む雪ノ下と、憮然とした表情の俺。
けれど、俺だって別に不快な気分ではなかった。
何よりも――

以下略



698: ◆/op1LdelRE[saga]
2013/09/08(日) 23:04:34.16 ID:w+pXWpAe0

 改めて思う――こんなのほとんど反則だと。
であれば当然、ただのぼっちに太刀打ちできる道理も無い。
傾国の美女という言葉のその端緒を、図らずも垣間見てしまった気分ですらある。

以下略



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