31:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/09(日) 19:30:15.65 ID:sFJRaXSc0
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プロダクションを移籍して、久しぶりに挑んだ、ライブバトル。
因縁の劇場、なんて言ったら、どちらかというといちゃもんね。
思い出の劇場、と言い換えます。
例の劇場で、持っていたものを全て出し切って、ステージを終えた私。
息を落ちつかせるより先に、プロデューサーの姿を探しました。
つい、探してしまいました。
私がここに至るきっかけになった、今は同僚のあの子と同じように。
「プロデューサー」
ステージ裏で、大きなタオルを持って待っていてくれたプロデューサーのもとへ。
私は一目散に駆けよりました。
「勝って、きました……!」
「ああ、おめでとう! 汗拭くから、ちょっとじっとしてな」
上気した頬に、武者震いの止まらない肩に、ふんわりとした感触を得る。
温かい優しさに包まれた中で、私はその言葉を聞きました。
プロデューサーにもらった、おめでとうの言葉。
待ち望んでいた言葉が、花火のように私の中で弾ける。
……その一言が、ずっと欲しかった。
私を認めて、一緒に喜んでくれる人がいることは、こんなにも嬉しい。
ああ、駄目。抑えきれない。
じんわりと熱いものが体の芯からこみ上げてきて、私は顔をしかめました。
タオルを被せられていたから、プロデューサーには気づかれないで済みました。
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