過去ログ - 岡崎泰葉「マイ・パッション」
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33:VIPにかわりましてNIPPERがお送りします[saga]
2013/06/09(日) 19:40:25.05 ID:sFJRaXSc0

「そうだな。どこか寄ってくか?」

「え?」

プロデューサーの意外な発言に、私は戸惑いました。
事務所に帰るんじゃなかったの。

「何のためにですか?」

「何のためにって……泰葉の初勝利記念、とか」

うちのプロダクションに来てからのな、とつけ加えるプロデューサー。

「……そういうのは、いいです」

私が欲しかったものは、もう、プロデューサーがくれました。
事務所のみんなからも。

これ以上貰ったら、お返しできなくなってしまうから。

すると、しみじみと言われました。

「泰葉は手がかからないなあ」

「……どういう意味ですか?」

私は、ちょっと不安になってプロデューサーを見上げました。

……泰葉は手がかからない子。

それは、私にとっては、嬉しい言葉じゃなかった。
私のことをほったらかす理由付けに、よく使われた言葉だもの。


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