20: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:12:19.41 ID:axl5mVCd0
居ない筈の俺の声が聞こえた気がして、行くべき道を指差してくれた――か。
これぞ運命って感じだな。はは……
いかんいかん。歌詞を考えなくては――
21: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:12:53.50 ID:axl5mVCd0
「すー……すー……」
俺の耳には千早の寝息だけが聞こえていた。
……ん?
22: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:13:25.53 ID:axl5mVCd0
「ん……ふぅ……」
「お、起きたか」
千早が眠そうな目を擦りながら起き上がる。
23: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:13:56.36 ID:axl5mVCd0
「……膝枕」
「え? 膝枕がどうしたって?」
膝枕が、卑怯な真似? ど、どうなっているんだ……?
24: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:14:33.08 ID:axl5mVCd0
「ちょ、ちょっと! いきなりどうしたんですか?」
「いやー、少し寂しそうに見えたからな。 甘えたかったのかなと」
「…………」
「ん? どうした?」
25: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:15:10.45 ID:axl5mVCd0
「こうして、甘えたかっただけなのかもしれない」
「え?」
「突然どうしたんだ、千早?」
「……私、両親にも余り甘える事ができなかったので」
26: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:15:54.59 ID:axl5mVCd0
千早の少し震えている声が耳に入る。
――ここで全て聞いた上で千早の過去と今を受け入れるべきか
それとも……触れずにそっとしておくべきだろうか?
27: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:16:37.26 ID:axl5mVCd0
千早は今まで話そうともしなかった自分の辛い過去の事を俺に打ち明けてくれた。
……辛く、暗く、重い過去の話を。
「……その中で、残されていたのが歌だったんです」
「歌……? それだから、ここまで歌に固執していたのか?」
28: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:17:26.31 ID:axl5mVCd0
「……! そうだ!」
「どうしたんです?プロデューサー」
そんな辛い過去は俺が消し去ってやる――
29: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:18:08.34 ID:axl5mVCd0
「孤独な少女にも歌い続ける理由となる想い人が居る。 そんな切ない気持ちを歌にするんだ」
「……それって、プロデューサー。 貴方と、私の事ですか?」
「あっ……良くわかったな……」
「誰でもわかりますよ、そこまで言われたら。 ……私をまた一人にするつもりなんですか?」
30: ◆K/laHoEzHc[saga]
2013/06/10(月) 18:19:07.22 ID:axl5mVCd0
「……絶対解放してくださいね? 貴方を信じて思い出したくもない過去を話したんですから」
「絶対にやってみせるさ。 それだけの覚悟があって話を聞いたんだから」
千早は全てを話し終えて安心したのだろうか、眠そうにしている。
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